歯周病の進行度と進行度に応じた治療について
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こんにちは、千歳烏山の歯医者、しんやデンタルクリニック千歳烏山です。
“歯周病”とよく聞くけれどイマイチよくわからない歯周病
本日はイマイチよくわからない“歯周病”、歯ぐきについてのお話しです。 これを読んでイマイチよくわからない歯周病、歯ぐきのことを知っていきましょう。
それぞれ詳しく解説していきます。
- おさらい:歯周病とは
- 歯周病の段階
- 歯周病の進行度に合わせた治療方法
- 歯周病の予防方法
- まとめ
1 おさらい:歯周病とは
以前当院のブログでも解説させていただきました。“歯周病とは“をご覧になっていただけましたでしょうか。
こちらに歯周病の解説をしておりますのでぜひ一読ください。
歯周病は進行が進むと歯を支えている骨が溶けてしまい、歯が失われてしまう大変怖い病気です。
日本人で歯を失う原因の第1位とも言われており、日本人の30歳以上の成人の約80%がかかっていると言われているのが歯周病です。
日本だけでなく世界でも歯周病によって歯を失ってしまう人が多くいます。
では、歯周病になるとすぐに歯を失ってしまうのでしょうか。
歯周病とは歯ぐきに炎症があると歯肉炎、歯肉炎が進行し、骨まで溶けてしまうと歯周炎になります。これを総じて歯周病といいます。
歯周病には進行の段階があり、段階に応じた治療をしていくことで歯周病の進行を止めます。
2 歯周病の段階
歯科医院で検診をする際、歯科医師が『1、2、1、3』などと数字を言っていることがありますよね。
この数字が何を表しているかご存じでしょうか。
これは歯周ポケットの深さを具体的な数値で表し、歯周病の状況を把握していくための大変重要な検診です。歯周ポケットとは歯と歯ぐきの間にある溝で、歯周病の原因となる細菌の住みかにもなっています。
歯周ポケットを測定できるのは歯科医院のみで測定できます。
歯周ポケット1㎜〜2㎜
健康な歯ぐきの状態です。
歯周ポケット3㎜
毎日の歯磨き不足により蓄積された歯垢によって歯肉に炎症が起きている状態です。
歯磨きをする時に多少の出血があります。
歯周ポケット4㎜〜5㎜
歯肉の炎症だけでなく、歯槽骨が3分の1程度溶けている状態。
歯磨きをした時に出血があったり、冷たいものがしみたりもします。この段階は歯周病の初期症状です。
歯周ポケット6㎜〜
歯槽骨は2分の1程度まで溶けてしまい、ポケットの内部にまで多くの歯石が付着している状態です。
膿が出てきたり、歯が細長く見えるようになってきます。
歯周ポケット8㎜以上
重度の歯周病です。歯槽骨は3分の2程度まで溶けてしまい、歯がグラグラし始めます。
それに伴い食事をする際には痛みも出てきます。
3 歯周病の進行度に合わせた治療方法
まずはどのような人でも共通で行う治療があります。
1プローブ検査
歯周ポケットを測定するためにプローブ検査というものを行います。
これは歯と歯ぐきの間にプローブと呼ばれる器具を使用し、歯周ポケットを測定していきます。
近年では市によって無料で歯周病検診を行っています。この制度を利用しご自身の現在の状態を把握することがまずは第一ステップです。
2レントゲン検査
歯を支えている骨の状態や骨密度を測定していきます。
3プラークの付着率の検査
歯周病の最も原因となる磨き残しの状況を把握する検査です。
染め出し液を使用し、磨けていない部位を把握していきます。
近年の染め出し液では1色だけでなく3色に染まります。
そのため直近で磨けていない部位なのか、それとも長い時間磨けていないのか判別ができ、ご自身の歯の磨き方の癖をより深く理解できる検査です。
4歯ぐきからの出血の有無の検査
プローブ検査と合わせて必ず行うものが、歯ぐきからの出血の有無を確認する検査です。
歯ぐきに炎症がある人は出血しやすいためプローブ検査時に出血の有無を必ず確認していきます。
5歯の動揺度の確認
歯周病が進行していると、歯がグラグラになってきてしまいます。
そのためひとつひとつの歯の動揺度を確認していきます。
これらの検査を行った上でご自身に合わせた治療方法を提案していきます。
<歯周ポケット3㎜以下の場合>
歯周ポケットが3㎜以下の場合は健康な状態のため、基本的にセルフケア中心に行っていきます。
定期的に歯科衛生士による歯石除去、PMTCを行い、正しいブラッシング方法も身につけていきます。
さらにデンタルフロスや歯ブラシといった補助器具の使用方法もしっかりレクチャーを受け、毎日のセルフケアに取り組んでいただきます。
必要であれば食生活も指導させていただくことがあります。
こうして現状を維持していただけるようサポートさせていただきます。
<歯周ポケット4㎜〜5㎜>
スケーリングとルートプレーニングを行っていきます。
スケーリングとは歯と歯周ポケット内の歯石やプラークを除去していきます。ルートプレーニングとは特殊なスケーラーを使用し、歯根の表面を滑らかにする処置です。
歯根の表面を滑らかにすることで、歯垢が溜まりにくくなります。そのため歯周ポケット内の細菌は減少し、歯周ポケットの改善につながります。
その後再評価をしていきます。
<歯周ポケット6㎜以上>
歯周ポケット6㎜以上の場合、非外科的治療では改善しないことが多く、外科的治療が推奨されています。
代表的な外科的治療
フラップ手術(歯肉剥離掻爬術)
歯周ポケットが深くなり、歯石や感染組織が取り除けない場合に歯ぐきを部分的に切開し、歯根や骨を露出し歯石や感染組織を取り除くことで歯周ポケットの改善をしていきます。
フラップ手術のメリット
・歯石や細菌の取り残しが少ない
・深いポケットを浅くすることで、細菌の温床を取り除き、日常の清掃をしやすくします。
さらにフラップ手術だけでなく、歯周組織再生療法と組み合わせる場合もあります。
歯周組織再生療法とは?
歯周病によって破壊された歯周組織(歯槽骨、歯根膜、セメント質など)を修復し、再生させることを目的とした治療法です。
歯周病が進行すると、歯を支える構造が失われ、歯の安定性が低下します。
この療法では、歯周組織を可能な限り元の状態に近づけ、歯の支持を回復させることを目指します。
歯周組織再生療法のメリット
・歯周組織を再生させ、歯を支える構造を回復させる
・歯の寿命を延ばし、抜歯を回避できる可能性が高まる
・自然な治癒力を活用した治療。
これらの外科処置後には必ず再評価を行い、定期的なメンテナンスでフォローしていきます。
歯周病外科処置のように歯を1本でも多く残すための手術も存在しますが、他の歯にも影響を与えてしまう場合には抜歯になってしまう症例もあります。
歯周病は進行すると、健康に害を及ぼし、心筋梗塞、糖尿病などの病気を引き起こす恐れがあります。
そのため当院では患者さん一人一人にあった治療方法を提供しております。
歯周病を予防するためには?
簡単にできる歯周病チェックリスト
口臭がする
歯を磨いた後に歯ぐきから血が出る
口の中にネバつきを感じる
歯が長くなった気がする
これらの中からひとつでも当てはまるものがあれば、歯周病になってしまっているかもしれません。
歯周病は早期発見、早期治療がとても大切です。歯磨きをした時に歯ぐきから血が出ることは、転んで膝を擦りむいた時に出血しその出血を1日中食べている状態と同じです。転んだ時に傷口を処置するよう、歯ぐきから血が出ることも早い段階で処置していきましょう。
歯周病は、日常的なケアと適切な生活習慣によって予防することが可能です。
歯科医院に定期的に通院する頻度は3ヶ月に1回が一般的だと思います。3ヶ月に1回は365日中たったの4日です。そのためご自身のセルフケアがとても重要になります。
まとめ
歯を失ってしまう最も多い原因が歯周病
歯周病は早期発見、早期治療が大切
歯周病検診を行う
歯周ポケットの深さによって治療が違う
歯周病は予防できる
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