歯の神経をとった後、何を選択しますか?

こんにちは、千歳烏山の歯医者、しんやデンタルクリニック千歳烏山です。
歯の神経をとった後、何を被せているのかご存じでしょうか。
自分の口の中に、自分の歯の代わりになって食事をしてくれる歯。
今どんな被せ物が入っていて、その被せ物はどんな役割をしてくれるのかご存じでしょうか。
本日は歯の神経をとった後、どんな被せ物の種類があって、それぞれどんな役割をしてくれるのかを解説していきます。
歯の神経をとった後はなぜ被せ物をする必要があるの?
歯の神経をとる処置をすると、歯の内部は空洞になり、栄養の供給も断たれます。
その結果そのままにしておくと、歯が割れてしまいます。
場合によっては詰め物にすることもありますが、詰め物は密閉性が不十分なため、すき間から細菌が侵入して再感染してしまい、再び虫歯になってしまうことを繰り返し、最終的には歯を抜かなければならなくなってしまうこともあります。
また、神経をとった歯は歯の色がグレーのような色に変色してきてしまいます。
そのため前歯の神経をとった場合は、グレーの歯になってしまい、1本だけ色が違って目立つようになってきます。
そのために被せ物をして、見た目の回復をしていきます。
歯の被せ物の種類とメリット・デメリット徹底解説
歯の被せ物は保険適用のものから自由診療で選べるものまで様々な種類があり、それぞれにメリットとデメリットがあります。
ここでは歯科治療で使われる代表的な被せ物の種類を詳しく紹介し、機能面・審美面・費用面を比較しながら解説していきます。
1. 銀歯(金銀パラジウム合金クラウン)
特徴
日本の保険診療で最も一般的な被せ物が「銀歯」です。正式には金銀パラジウム合金を使っており、強度に優れ、奥歯の被せ物として長年利用されています。
メリット
保険適用で安価
1本あたり数千円程度で作製できる。
強度が高い
噛む力の強い奥歯でも使用可能。
治療が早い
多くの歯科医院で対応可能で、製作期間も短い。
デメリット
見た目が目立つ
金属色が目立ち、特に口を開けた時に気になる。
金属アレルギーのリスク
長期間使用すると金属が溶け出して皮膚炎や粘膜の炎症を起こす場合がある。
歯茎の変色
歯と接する部分の金属イオンが溶け出し、歯茎が黒ずむことがある。
2. レジン前装冠
特徴
金属のフレームにレジン(プラスチック素材)を前面に貼り付けた被せ物です。前歯の治療で保険適用となる代表的な方法です。
メリット
前歯に保険で使える
ある程度自然な見た目が得られる。
費用が安い
銀歯同様に保険で対応可能。
比較的短期間で作製できる。
デメリット
変色しやすい
プラスチックは水分を吸収するため、時間が経つと黄色や茶色に変色する。
自分の健康な歯の色まで完全には合わせられないため、自分の歯の色と被せ物の色に差が出る。
強度が弱い
割れたり欠けたりしやすい。特に噛み合わせの強い人は注意。
透明感に欠ける
天然歯のような自然さは得にくい。
自分の健康な歯の色まで完全には合わせられないため、自分の歯の色と被せ物の色に差が出る。
3. CAD/CAM冠
特徴
素材は「ハイブリッドレジン」というセラミックと樹脂を合わせたもの。
コンピュータ制御で作製するため、精度が比較的安定している。
2014年から保険導入され、適用範囲が徐々に広がっている。前歯も適応
メリット
見た目が自然
銀歯に比べて白く、笑ったときに金属が目立たない。
保険でできる
自由診療のセラミックに比べて費用が安く、保険で白い歯が入れられる。
金属アレルギーの心配が少ない
金属を使わないため、金属アレルギーの方にも安心。
歯の削除量が比較的少ない
セラミックに比べて柔らかいため、削る量を抑えられる場合がある。
デメリット
変色・摩耗しやすい
樹脂を含むため、長期的には変色したりすり減ったりすることがある。
強度が金属やジルコニアに劣る
噛む力が強い方や奥歯では割れる可能性がある。
適用できる歯に制限がある
保険で使えるのは条件があるため、全ての歯に適応ではない。
寿命は5〜7年程度が目安
自由診療のセラミックやジルコニアほど長持ちはしない。
汚れが落ちにくい
一生懸命歯を磨いても材質的に汚れがなかなか取れない。
4. セラミッククラウン
特徴
陶器素材(セラミック)で作られた被せ物。自由診療となるが、審美性と耐久性に優れており、現在非常に人気が高い。
メリット
見た目が自然
光の透過性があり、本物の歯に近い美しさを再現可能。
変色しにくい
長期間使っても色が保たれる。
金属を使わないためアレルギーの心配がない。
歯茎の黒ずみが起きない。
デメリット
費用が高い
1本あたり10万円前後が一般的。
衝撃に弱い
強い力が加わると欠ける可能性がある。
自由診療のみ
保険がきかないため経済的負担が大きい。
5. メタルボンドクラウン
特徴
金属のフレームにセラミックを焼き付けた被せ物。金属の強度とセラミックの美しさを兼ね備えている。
メリット
強度が高い
奥歯でも使える。
審美性が高い
外側はセラミックなので見た目が自然。
変色が少ない
長く美しさを維持できる。
デメリット
歯茎が黒ずむことがある
金属部分が露出したりイオンが溶け出した場合。
費用が高い
1本10万円前後。
オールセラミックより透明感が劣る。
6. ジルコニアクラウン
特徴
人工ダイヤモンドにも使われる「ジルコニア」で作られたクラウン。強度と審美性のバランスが非常に良い。
メリット
非常に強度が高い
割れにくく、奥歯にも使用可能。
審美性が高い
セラミックと同様に自然な見た目。
金属を使わないため安全
アレルギーや歯茎の黒ずみがない。
長持ちしやすい
適切にケアすれば10年以上使用可能。
デメリット
費用が高い
1本10万~15万円程度。
セラミックよりはやや透明感に劣る。
7. ゴールドクラウン
特徴
金合金や白金加金を使ったクラウン。日本ではあまり目立たないが、欧米では高評価されている。
メリット
生体親和性が高い
金属アレルギーのリスクが低い。
適合精度が高い
歯と被せ物の境目がなめらかで二次虫歯になりにくい。
耐久性が抜群
割れにくく、長期間使える。
デメリット
見た目が金色で目立つ。
自由診療で高額
10万円前後。
日本では人気が低い
審美的に受け入れにくい。
8. ハイブリッドセラミッククラウン
特徴
セラミックとレジンを混合した素材。審美性と強度を両立し、費用も抑えられる。
メリット
セラミックより安価
自由診療でも比較的手が届きやすい。
見た目が自然
銀歯よりはるかに美しい。
適度な柔らかさ
噛み合わせの歯を傷めにくい。
デメリット
変色しやすい
レジンを含むため、数年で色が変わる。
耐久性はセラミックに劣る
摩耗や欠けが起きやすい。
自由診療のみ。
まとめ
ここまで被せ物の種類とメリットデメリットを紹介しました。
被せるものには、それぞれの役割があります。
担当の歯科医師が推奨するものを選ぶことも間違いではないですが、その被せ物は自分のライフスタイルにマッチしているのか。
「どこに入れるのか」「自分が何を優先するのか」。そしてアレルギーはないのか。
長く使うものなのでしっかり考え、担当の歯科医師と相談して被せ物を選択していきましょう。
被せ物の選択によって将来の自分の口の中が変わってきます。
生涯最後まで自分の歯で食事をするために、今の選択を大切にしましょう。
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