矯正の種類と始めるタイミング
こんにちは、千歳烏山の歯医者、しんやデンタルクリニック千歳烏山です。
昨今、様々な歯列矯正があり、自分にはどんな治療方法が適しているのか。
またその歯列矯正を始めるタイミングはいつがいいのか。こんな疑問を抱く方が多いと思います。
当院でもお子さんの矯正を始めるタイミングがわからない、私は歯並びを綺麗にするには手遅れ、歯並びを綺麗にしたいけど長期間治療が必要なためタイミングが難しい
こういった悩みを抱えていらっしゃる方が多くいらっしゃいます。
本日は矯正の種類、始めるタイミングについてお話していきます。
矯正装置の種類
矯正装置にはいくつかの種類があり、それぞれに特徴や利点があります。
以下に主な矯正装置の種類をまとめてみました。
<幼少期に取り組む歯列矯正>

幼少期に適した矯正装置は、子どもの成長段階や歯並びの問題に応じて選ばれます。
幼少期の矯正は、永久歯が生えそろう前に行うことで、歯並びや噛み合わせの問題を予防したり、軽減したりすることができます。
1. 前歯矯正装置(マウスガード)
特徴
歯に装着するシンプルな装置で、特に前歯の位置を調整します。軽度な不正咬合や歯並びの乱れに使われます。
適応症
主に歯並びに軽い問題がある場合や、歯が生えそろっていない段階での予防的な矯正。
利点
装着が簡単で、比較的短期間で効果が見込めます。柔軟な素材で作られているため、子どもにとって痛みが少ないです。
2. ヘッドギア(顎矯正装置)
特徴
上顎の成長を調整するために、頭部に装着する装置です。通常、寝ている間や一定の時間帯に装着します。
適応症
上顎が過剰に成長している場合(上顎前突)、または顎の位置がずれている場合に使用されます。
利点
上顎の成長をコントロールすることができ、成人後の矯正治療が必要なくなる可能性があります。
デメリット
装着時間に制約があり、見た目が気になる場合もあります。日常生活での使用には少し不便を感じることがあります。
3. バイオネーター
特徴
軟らかいシリコン製の装置で、顎の位置や歯の位置を調整します。特に、顎の成長に影響を与える装置です。
適応症
顎の成長が不均衡な場合や、歯列が広がっていない場合に有効です。成長段階での顎の位置調整が必要な子どもに使います。
利点
顎を自然に調整でき、成長期に使うことで後の矯正が楽になることが多いです。見た目も比較的シンプルで、装着が比較的簡単です。
デメリット
慣れるまで違和感がある場合があり、定期的な調整が必要です。
4. 拡大装置(上顎拡大装置・下顎拡大装置)
特徴
上顎や下顎の歯列を広げるための装置です。特に歯列が狭い場合に使われます。装置を歯に取り付けて、顎の骨を少しずつ広げることで歯並びを改善します。
適応症
上顎や下顎が狭い場合、または歯が重なっている場合に使われます。
利点
顎を拡大することで、歯が並びやすくなり、噛み合わせも改善されます。早期に矯正を始めることで、後の矯正治療が軽減されることがあります。
デメリット
拡大装置は初めて装着する時に違和感があり、最初の数週間は不便さを感じることがあります。
5. バイトプレート
特徴
上下の歯の位置を調整するために、歯に装着するプレート型の装置です。顎の位置を正しく整えるために使います。
適応症
上下の歯の噛み合わせが悪い(反対咬合や開咬)場合に使用します。特に、顎の発育を促進したり、噛み合わせを調整したりする役割を持っています。
利点
噛み合わせを改善し、歯並びが整いやすくなります。
デメリット
最初の段階では違和感があり、装着に慣れるまで時間がかかることがあります。
6. インターセプティブ矯正装置
特徴
子どもの成長段階で、早期に問題を予防または改善するために使う矯正装置です。特に、永久歯が生え揃う前に使います。
適応症
顎の発育に問題がある場合や、歯の間隔が狭い、前歯が出ているなど、成長期に発生する矯正問題を早期に対処するための装置です。
利点
問題が悪化する前に矯正を行うことで、後の治療が楽になり、最小限の矯正で済むことが多いです。
デメリット
装置を使う時期やタイプによっては、数回の治療が必要となることがあります。
7. インビザライン
特徴
透明なマウスピースを使った矯正治療法で、取り外し可能で目立ちにくいです。子どもにとっては少し難しい場合がありますが、治療の進行に合わせて使用します。
適応症
歯並びの乱れが軽度な場合や、成人矯正に向けての準備段階で使うことがあります。
利点
目立たない、取り外し可能、食事や歯磨きの際に装置を外せる。
デメリット
成長段階の子どもには管理が難しい場合があり、治療計画に工夫が必要です。
幼少期に矯正治療を行うことには、いくつかの重要なメリットがあります。
歯や顎の成長が活発な時期に矯正治療を行うことで、将来的な治療が簡単になったり、問題の進行を防ぐことができます。
幼少期は顎や歯の成長が活発な時期です。この時期に矯正治療を行うことで、顎や歯並びの成長をコントロールしやすく、正しい成長に導くことができます。成長段階で問題を修正することで、成人後に必要な矯正治療が簡単かつ短期間で済むことがあります。 2. 永久歯のスペースを作る
歯が生え変わる時期に不正咬合(噛み合わせの異常)があると、永久歯がうまく生えないことがあります。早期に矯正治療を行うことで、永久歯が生えるためのスペースを確保でき、歯並びがスムーズに整います。 3. 噛み合わせの改善
幼少期に噛み合わせが悪い(反対咬合、開咬など)場合、早期に矯正することで、将来の噛み合わせの問題を防ぐことができます。噛み合わせが改善されると、食べ物を噛みやすくなり、顎の負担も軽減されます。 4. 顎の発育をコントロールできる
幼少期は顎の発育を調整することができる時期です。顎の成長に問題がある場合(例えば、上顎が過剰に成長している場合など)、矯正装置を使って顎の成長を適切に誘導することができます。これにより、成人後に顎の手術が必要になるリスクを減らすことができます。 5. 治療期間が短縮できる
幼少期に矯正治療を開始することで、成人してからの治療が短期間で済むことが多いです。早期に問題を解決することで、成長期に歯や顎が自然に整っていき、後の治療の負担を軽減することができます。 6. 心理的・社会的なメリット
幼少期に歯並びを整えることで、子どもが自信を持って笑顔を見せることができ、心理的にも安定することがあります。歯並びに悩むことが減るため、学校生活や友達関係にも良い影響を与えることがあります。 7. 歯の健康を守る
不正咬合や歯並びの乱れは、虫歯や歯周病などの口腔内の問題を引き起こす原因になることがあります。早期に矯正治療を行うことで、歯磨きがしやすくなり、虫歯や歯周病のリスクを減らすことができます。 8. 将来の治療の負担軽減
幼少期に問題を早期に発見し、矯正治療を行うことで、成人後に大がかりな治療や手術が必要になるリスクを減らすことができます。また、歯や顎の異常がひどくなる前に治療を行うことで、後の治療が簡単になります。
まとめ
幼少期に矯正治療を行うことで、成長期を利用して顎や歯並びを調整し、将来的な治療を軽減することができます。
早期に治療を開始することで、歯や顎の問題が悪化する前に改善でき、後々の負担が大きく減ることが多いです。
また、心理的な自信を持たせる効果や、歯の健康を守るメリットもあります。幼少期に取り組む矯正装置を解説してきましたが、最近は使用されていない矯正装置もあります。お子さんの歯列の状態に応じて取り組める矯正装置、ご両親がこの矯正装置で取り組んでいきたいと考えたが、歯科医師からみた時にこの矯正装置ではお子さんの歯列に適していないという問題もよくあります。
矯正治療は長期の治療になるため、主治医としっかり治療方針を決めて取り組んでいきましょう。
<大人の歯列矯正>

大人の矯正治療には、外見やライフスタイルに合わせたさまざまな矯正装置があります。
大人の矯正は、見た目や取り扱いやすさ、治療期間など、複数の要素を考慮して選ぶことが重要です。
1. 金属ブラケット
特徴
最も一般的な矯正装置で、歯の表面に金属のブラケットを取り付け、ワイヤーを通して歯を動かします。
適応症
複雑な歯並びの問題や噛み合わせの問題に対応できます。どんな歯並びにも効果的で、予測可能な治療結果が得られます。
利点
効果的で、治療が比較的早く進みます。特に歯並びが非常に乱れている場合に有効です。
デメリット
外見が目立つため、見た目を気にする人には向かない場合があります。
2. セルフライゲーションブラケット(自己調整型ブラケット)
特徴
金属ブラケットと似ていますが、ブラケットにワイヤーを固定するためのクリンチ(クリンチを使わない)システムがあります。これにより、歯の動きがスムーズで、治療のスピードが向上します。
適応症
従来の金属ブラケットよりも少し短期間で治療が進むため、効率的な矯正を希望する人に向いています。
利点
通院回数が少なくなる場合があり、治療期間が短縮されることがあります。治療中の痛みや不快感が軽減されることが多いです。
デメリット
金属ブラケットが使われるため、目立つことがあります。
3. インビザライン(クリアアライナー)
特徴
透明なプラスチック製のマウスピース(アライナー)を使って歯を動かします。取り外し可能で、ほとんど目立ちません。
適応症
軽度から中度の歯並びの乱れに効果的です。外見に配慮したい方に人気で、発音や食事の際に装置を外すことができる点が便利です。
利点
透明で目立たず、取り外し可能なので食事や歯磨きが楽です。装置が目立たないため、大人やビジネスパーソンに好まれます。
デメリット
治療の進行状況を確認するための通院が必要で、アライナーをきちんと装着していないと治療が遅れる可能性があります。重度の歯並びには適応できない場合もあります。
4. リンガルブラケット(舌側矯正)
特徴
ブラケットを歯の裏側に取り付ける矯正装置
適応症
外見を気にせずに矯正したい人に最適です。特に成人や見た目を重視する人に人気です。
利点
見た目が非常に目立たず、従来型のブラケットと同様に、複雑な歯並びや噛み合わせの問題に対応できます。
デメリット
装着当初は違和感があり、舌の位置に影響を与えるため、発音や食事に不便を感じることがあります。治療期間が長くなる場合があります。
5. セラミックブラケット(エステティックブラケット)
特徴
セラミックや透明な素材で作られたブラケットを使用し、目立たなくなっています。金属ブラケットよりも目立ちにくいです。
適応症
見た目を重視しつつ、金属ブラケットの治療効果を得たい人に向いています。
利点
金属ブラケットより目立ちにくく、外見を気にする成人に適しています。治療効果は金属ブラケットとほぼ同じです。
デメリット
金属ブラケットよりもやや高価で、ブラケット自体が割れやすいことがあります。また、金属ブラケットよりも摩耗しやすいこともあります。
6. ダム(パワーチェーン)
特徴
歯列に必要な力を加えるために、金属ブラケットやセラミックブラケットのワイヤーに取り付けるゴムのチェーンです。
適応症
歯をより速く動かすために使われることが多いです。特に歯の間隔が狭くなっている場合に利用されます。
利点
短期間で効果が見込まれ、治療がスピーディーに進行します。
デメリット
ゴムが目立つため、見た目が気になる方には不向きかもしれません。
7. バイトプレート(噛み合わせ矯正装置)
特徴
歯列矯正に加えて、噛み合わせに問題がある場合に使用する装置です。顎の位置を調整し、噛み合わせを改善します。
適応症
噛み合わせの問題(例:開咬、反対咬合)を調整するために使用されます。
利点
噛み合わせが改善されることで、歯や顎への負担が軽減され、全体的な健康も向上します。
デメリット
装着する際にやや違和感があり、発音に影響を与えることがあります。
まとめ
大人の矯正治療では、見た目を気にする方が多いため、目立たない装置や取り外し可能な装置(例:インビザライン、リンガルブラケット)が人気です。治療の種類は、歯並びの状態やライフスタイル、予算に応じて選ぶことが大切です。歯科医師と相談し、自分に最適な治療方法を見つけることをおすすめします。
矯正治療は長期間の治療になるため、大人の場合結婚式などのイベントもあるでしょう。そのような予定がある場合、事前に予定していたら良いのですが、突然のこともあるかと思います。心配なさらずに主治医の歯科医師と相談していきましょう。
大人の矯正治療は私はもう矯正までしなくていいと思われる方もいらっしゃいますが、矯正は最大の予防と言われているほど、口腔内の管理をしやすくなります。
歯並びが気になると思ったその時に歯科医師に相談してみましょう。
矯正治療は早く始められるのであれば1日でも早い方がいいです。しかし矯正装置は安価にできるものではありません。矯正をしたくても費用の問題もあるかと思います。医院によっては分割対応している医院もありますし、将来の綺麗な歯並びになるために目標を立てていくことも大事です。
しんやデンタルクリニック千歳烏山:https://sdc-chitokara.jp/
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交通アクセス
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